2011年7月19日火曜日

【名優・原田芳雄さん死去】


2011年7月19日9時35分、俳優・原田芳雄さん(71)が肺炎のため都内の病院で亡くなった。
2008年に早期大腸がん手術が成功し俳優に復帰したものの、その後も体調は完全には良くなっていなかったらしい。

原田芳雄さんは、1940年2月29日生まれ。俳優座養成所を経て1967年にテレビドラマでデビューし、ワイルドな魅力やアウトロー風の風貌で多くの活躍をし、年齢とともに社会派作品の上司や一家の親父役としてもドラマ、映画に欠かせない存在となっていった。

出演映画、ドラマは100本を超える。映画関係の受賞も数知れず、2003年には紫綬褒章受章も果たしている。また、大の鉄道ファンとして「タモリ倶楽部」(テレビ朝日系)に出演するような一面もあった。

4月クールのドラマ「高校生レストラン」(日本テレビ系)では、主人公(松岡昌宏)の父親である住職役で特別出演していたが、最終回目前に「突然、父が旅に出る」という形で降板。ドラマ視聴者からは原田さんの台詞回しの様子から「体調が悪いのではないか」という声は上がっていた。テレビドラマ出演としては、この「高校生レストラン」が遺作となる。

映画は、本年7月16日公開(19日現在公開中)の「大鹿村騒動記」(阪本順治監督)が最後の作品となった。この作品は、原田さん自身と阪本順治監督の熱望が実現して公開に至った原田さん主演の映画であり、最後を飾るのに相応しい舞台となった。

最後の最後まで俳優でありつづけた原田芳雄さん。今までの大きすぎる存在感から、今後、スクリーンやテレビ画面にその姿が見られなくなるというのは信じられない。日本は、また偉大な俳優を失ってしまった。心からご冥福をお祈りしたい。

それにしても、2011年は芸能界の訃報が多い。全く芸能界に縁がない身でも、いつも見ている人たちが亡くなる事は、一つの時代の終わりを感じさせて寂しいものである。

(文:久風子,イラスト:ikasama4)

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