2011年7月26日火曜日

俳優・高岡蒼甫、フジテレビに「韓国のTV局か」

俳優の高岡蒼甫氏が、Twitterでフジテレビに対して「韓国のTV局か」とつぶやいた事がネット上で話題になっている。




ツイートは7月23日に投稿された物で、高岡さんは「正直、お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。 韓国のTV局かと思う事もしばしば。しーばしーば。 うちら日本人は日本の伝統番組求めてますけど。」と語っている。

確かに今に始った事ではなく、ここ何年かテレビ局が韓流番組を流す時間は多い。特に昼間の時間帯は、TBSは朝の10時から1時間、フジテレビは14時から2時間、テレビ東京は12時半から1時間、韓流ドラマを放送する時間に使っている。

「この時間を使って何か他に有意義な番組を」と言っても、どうせ芸能スキャンダルを流すような番組しか作らないだろうと思うと、もう何が流れていても同じような気もするが、実際、韓流ドラマは今だにそんなに需要があるのだろうか?

主婦層を狙うのならば、主婦層が「懐かしい」と感じられる日本のドラマの再放送の方が視聴率が取れそうな気がする。少なくとも筆者の周りには、そういう声の方が大きい。


さて、その後のツイートで「傷ついた人がいたら申し訳ないと思う」「発言を取り消すつもりはない」と語っている高岡さん。

芸能人のTwitterがネット上を騒がせる、といえば、つい先日の「山本太郎氏ドラマ降板」が記憶に新しい。一般人ならば何をつぶやこうがネットの片隅の発言だが、芸能人は公の人。一つの発言が周りにも影響を与えることは考えなくてはなるまい。

勇気ある発言だとは思うが、今後の仕事などに差し障りがないのだろうか、と余計な心配をしてしまう。韓流に偏っているのはフジだけではないのだから、テレビ局は指定しない方が良かったのでは。

最近、韓流といえばフジテレビの名前がやたらと挙がるが、筆者にはTBSの方が韓流に染まっているように思える。ゴールデンタイムのドラマの中に無意味に韓流スターを登場させたり、現在も韓流ドラマのリメイクを流しているのはTBSである。

2003年のヨンさまブームからの韓流の波は今だに衰えないという事だろうか。それとも、ネットニュースで騒がれているように本当に「作られたブーム」なのだろうか。日本も海外から買い取られる素晴らしい物をたくさん作っているのだから、もっと自信を持って自国にアピールしていってほしいものである。

視聴者が本当に求めているのは、韓国の物でもアメリカの物でも、もちろん日本の物でもなく、「面白いもの」なのだから。


(文:久風子)

2011年7月24日日曜日

【向田邦子の世界「阿修羅のごとく」を見る】

先日NHKで3夜に渡って再放送されたドラマ「阿修羅のごとく」を見た。

本放送は1979年、今からもう30年以上前である。ほんの子供の頃のことだが、筆者は本放送を見ている。恐らく親が見ているのを一緒に見ていたのだろう。

筆者は現在もほとんどの連続ドラマを見る「ドラマおたく」だが、本当に心に残る傑作は1年に1本出てくるかどうかだ。特に最近のドラマは過去の作品の焼き直しにしか見えない内容の物や、視聴率狙いのキャスト主体の脚本作品が多く、夢中になれる物はほとんどない。

「阿修羅のごとく」は、30年も前の作品だが、現在見直しても傑作だと思えた。ドラマ史に残る1作だ。

子供の頃に見た作品が、こうも脳裏に焼きついているというのは尋常ではない。今回の再放送の前にも何回か再放送を見た覚えはあるが、様々なシーンが鮮やかに記憶に蘇ってくる事に軽く身震いした。実に多くのシーン、多くのセリフが自分の中に残っていたのである。

家族の物語であり、男女の物語であるこの作品は、見る年代でまた感覚が違う。子供の頃に見たこの作品と、20代で見た再放送と、そして今回見た再放送では、私自身の女のしての立場が大きく変わっている。

長女の家に愛人の本妻が押しかけるシーンでは、昔はただの「恐い女」にしか思えなかったが、今回は本妻の哀れさに涙が出た。息が詰まるシーンは、また新たな感動となって心に残る。10年後に見た時には、また違う感慨が生まれる事だろう。

作品中のあらゆるシーンに流れるトルコの軍楽が、また耳に残るのである。愛人の出現を、家族の一大事を、馬鹿にするように、また哀れむように、励ますように、この音楽は流れ続ける。子供の頃からずっと、これほど自分の中に残っているドラマのテーマ曲は他にない。まるで自分の人生の中にもずっとこの曲が流れ続けていたかのように感じるほどだ。

電話が携帯ではなくてカバーが掛かった懐かしい家電でも、街並みが昭和の空気その物でも、このドラマの語るテーマは全く古臭くは無い。家族のことや男女のことは、時代が変わっても何も変わらないということなのだろう。向田邦子の脚本、和田勉の演出、このドラマのスタッフは本当に素晴らしい。


さて、NHKは7月26日から、向田邦子原作のドラマ「胡桃の部屋」を放送する。「阿修羅のごとく」三夜放送は、このための看板のようなものだったわけだが・・・筆者にとっては、少々高すぎる看板のように感じられる。

時代が変わって向田邦子作品はどのように描かれるのか。楽しみに待とう。


「胡桃の部屋」7月26日放送開始(全6話・火曜22時NHK総合)
公式サイト: http://www.nhk.or.jp/drama10/kurumi/





(文:久風子)