"Facebook"は、簡単に説明すれば米国発のSNS。
米国だけではなく全世界でユーザー数は年々増えており、日本でも登録数は311万人を超えているらしい。(2011年5月時点)
実名登録の安心感もあり、リアル世界の「ともだち」との繋がりを作るツールとして一部の愛好者には人気のようだが、実際、そんなにみんな上手く使いこなせているのだろうか?
そもそも「実名登録」って本当なの?
■別に「実名」じゃなくても登録できちゃうFacebook
「本名登録」と謳われているために、「実名」だと思い込んでいる人が多いらしいFBだが、実は別に実名じゃなくても登録できる。登録する際に本名だと証明する書類の提出などが全く不要だからだ。
日本名と掛け離れた名前で登録した場合、突然アカウントを停止されたりする事もあるらしいが、「日本太郎」とか「山田花子」ならば停止される可能性はまず無い。
アカウントを停止された場合は実名証明を出せばアカウントを復活させてもらえるらしいが、証明書を出さなくても「タイとのハーフなので変った名前ですが本名です」などと言い張って復活してもらった人もいるらしい。つまり、「実名登録」の規則はたぶん結構ゆるい。
なぜ「本名登録」が原則なのに仮名を使ってまで登録すんの?と言う話だが、SNSに登録する理由なんて人それぞれだ。筆者の場合は仕事上FBに関するハウツー記事をいくつか書かなくてはならなかったのでアカウントを作った。そういう人もいるって事。
そして、そんな理由でアカウントを作った場合、基本「ネット上で個人情報を漏らすのは危険」と知っている日本人の特性として、実名登録なんてする気にならないのである。学校でも「ネットに個人情報を書いてはいけません」と教わってるじゃない…。
■「実名」だけに「なりすまし」に遭うと本当に恐い
「実名」が規則であるFBは、Twitterのように「登録IDが被ると登録できない」という仕様がない。「実名」は同姓同名の人が山ほどいるのが当然だからだ。だから、簡単に「誰かと同じ名前で登録」する事が出来る。そんな事して何の得があるのだろう。と筆者も思うが、そんな事をしている人が実際にいっぱいいるらしい。
■筆者が体験した「気持ち悪いこと」
今月半ば、Aという人から「友達申請」を受けた。リアルな繋がりは何もない人である。そもそも「実名の繋がり」を求めるはずのFBなのに、筆者がアカウントを作ってから今日まで会ったこともない方からの「友達申請」ばかりである。
Twitterでは特に過去のやり取りも挨拶もなくフォローされても趣味が合いそうなら気軽にフォロー返しする筆者も、実名登録なのに何の挨拶もなく突然「友達申請」してくる人たちにはかなり警戒感を抱いていた。
今までは挨拶もなく「申請」してくる人たちは全て断っていたのだが、最近は何となくそういうのにも慣れて、ちょっとこっちで世界を広げてみようかとオープンに申請を受け入れ始めていた矢先の事である。
Aさんの場合は、あらかじめ筆者の趣味に対してコメントをくれたりした後の申請であり、挨拶付きだったので、筆者もあまり深く考えずに申請を受けた。筆者とAさんは「友達」というものになったのである。
・「あいさつする」と「メッセージ」
FBには「あいさつする」というボタンがある。筆者もこれを受けるまでは全く知りもしなかった機能だ。上にも書いたように、登録だけしてほとんど使っていないFBだが、この「あいさつ」を毎日のようにして来られる方が何人かいるので、筆者は毎日「あいさつを返す」をやっていた。Aさんもその内の1人だった。
そんなある日、Aさんから再び「友達申請」が来た。筆者も「あれ?この人、もう"ともだち"のはずだよね」と思ったのだが、何せ忘れっぽいので「申請を受けたつもりで、まだしてなかったっけ」と、軽い気持ちで再び申請を受け入れた。その結果、筆者の「友達リスト」にはAさんが2人になってしまった。
どういう理屈でそうなったのかよく解らなかったが、面倒くさいので筆者はそれをそのままにしておいた。すると昨日、Aさんから「メッセージ」が届いたのである。
内容は、「筆者に「あいさつ」を送ったが拒否された」という物である。筆者には身に覚えの無いことなので「別に拒否なんてした事はありませんよ。FBはあまり使っていないので拒否の仕方も知りません。」と返信した上、ついでに聞いておこうと思い「私の友達に貴方が2人いますが」という事を書いた。
それに対してAさんから来た返信は2通である。
この「あんたも知識がないんだから、あった事だけ報告しろよ」みたいな言い方が、とても人に物を頼む態度には思えずかなりムッとしたが、変な事に巻き込まれるのも面倒なので、筆者は上の「友達リスト」の画像を添付してAが2人いる事を説明、もう1人のFBのURLも書き添え、FB事務局に「スパム報告」するやり方まで丁寧に教えて差し上げた。
・解決したらしい
すると今朝、筆者が説明した通りにスパム報告した旨のお礼メッセージが届いた。筆者が自分の「友達リスト」を確認してみるとAさんは1人減っていた。「ニセAは削除されたんだな」と筆者は思い、URLを確認したところ、信じられないことが起きていた。
「友達」として消えていたのは、筆者が「本物」だと思っていた方のURLであった。「ニセA」は友達リストの中に普通に残っている。これって・・・・・!?
■ 結局「なりすまし」だったのか「二重人格者」なのか
結局、Aとは何者だったのだろう。同じ「本名」で登録し、全く同じプロフィールを書き、1人は「偽物が勝手に活動している」と憤慨している。しかし、リアル友達ではない筆者には、どちらが本物なのか見分けなんてつくはずもない。
筆者にあのメッセージを送ってきたのが「A」なのか「A'」なのかも解らない。もしかしたら二重人格者である可能性だってある。とりあえず・・・筆者は今朝「A」も「A'」も両方ともブロックした。だって気持ち悪いもの。
■ 長々と書きましたが・・・
結局、同じ名前でいくらでも登録できてしまうからこんな事も起きるわけである。何という無防備なシステムなのだろうか。
つまり、貴方が「友達」だと思って登録している相手は実は「友達'(ダッシュ)」である可能性もあるという事だ。「実名登録」全く信頼できないという事をお解かりいただけただろうか。
どうせ誰だか解らないのならば、最初から匿名登録しているTwitterの方が何だか安心して使えてしまうというこの皮肉。これも匿名掲示板好きな日本人ならではだろうか。
ちなみに、Facebookでは、かなり細かくプロフィールを何処まで閲覧者に見せるか設定する事が出来る。筆者が「A」さんとの関わりを断った後、プロフィールをとことん隠す設定に変えた事は言うまでも無い。
(文:久風子)