スピルバーグの世界には、どこかしら救いがある。それは、「ET.」のようなファンタジー系の作品のみならず、「シンドラーのリスト」のような社会派作品、「ポルターガイスト」のようなホラーでさえそうなのだ。ラストにホッとできる甘さがある。
また、スピルバーグの世界には夢がある。大人不在の中で成長していく子供が描かれることが多いのもスピルバーグ作品の特徴の1つだが、その過程で現われる不思議体験が、何故か見る者の郷愁を誘うのである。
「SUPER8」の中でも、子供たちは子供たちの世界の中で成長を遂げていく。作品の中で起こる様々な出来事は誰しも体験できるような事ではないけれども、みんなで何かに夢中になったり、親に内緒で何処かに出かけたり、そんな体験は懐かしく思い出す事が出来る。
「未知との遭遇」「ET.」など、スピルバーグの昔のSFファンタジー作品を愛する人たちは、この作品の中に「懐かしいスピルバーグ」をたくさん見つける事が出来るだろう。
「スピルバーグが好き」という貴方こそが心から楽しめる1本。監督・脚本のJ・J・エイブラムスが愛するスピルバーグの世界を再現した1本。「SUPER8」は、そんな映画だった。
・SUPER8 公式サイト (2011年6月24日より全国絶賛公開中)
(文:久風子)
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